自分自身を守るために、自分に向かって吐いた嘘が枷になり、自分自身を縛り付ける。そんな自縄自縛の状態であがく、三人の女性を描く連作短編集。傍から見れば一人二役でプロレスをやっているようなものだから、どこか滑稽でさえあるのだけれど、むしろそれ故に、当人にとっての切実さが痛い。一見スーパーナチュラルものと思わせておいて、(一応)合理で落とす、ミステリ的な展開も楽しい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2022年5月13日
- 読了日 : 2022年5月13日
- 本棚登録日 : 2022年5月12日
みんなの感想をみる