花宵道中 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2009年8月28日発売)
4.14
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本棚登録 : 2828
感想 : 334
5

恐るべし、宮木あや子!!!デビュー作ながら売れ行き好調で、ずっと読みたいと思っていた作品の待望の文庫化。予想以上の出来に無我夢中になり、だらだらと泣いていました。
感情を揺さぶるのがすごくうまい。吉原の遊女の儚さや激しさをこれでもかと狂おしいまでに描き、読む側も翻弄され、心乱される。
そして構成もうまい。連作短編の形を取り、時間軸も敢えてずらしながらドラマを展開させる。まるで映画を見ているかのようだった。
文庫化にあたって、スピンオフ作品の「大門切手」が収録されている。賛否両論のようだが、ま、これはこれで後日談的な作品てことでありじゃないかしら。
嶽本のばらの解説もよかった。宮木さんのかわいい素顔を暴露しつつ、その末恐ろしい才能を絶賛していて、全くその通り!今後が本当に楽しみな作家である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の作家
感想投稿日 : 2009年9月19日
読了日 : 2009年9月19日
本棚登録日 : 2009年9月19日

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