「この本を書くという、途方もない仕事にとりかかるまでは、ぼくのイギリスの歴史に関する知識ときたら、街のそこらのおじさんとくらべても、はるかに貧しいものだった(連中の程度は知ってるだろう)。しかし勉強をはじめてみると、やればやるほど、いかに大事なことを知らずにきたか、痛感させられた。ぼくたちのご先祖様というのは、実に魅力的、血に飢えていて、ご縁につながるだけでも大変な幸せというような、かんばしくない連中だということがわかったんだ。これからみんなに読んでもらうのは、すべて専門家に聞いたこと、あるいはほかの本に書いてあったことだ。歴史についての見方というのは、人それぞれだから、ぼくはちょうど真ん中あたりを取るようにした。でもこれはぼくの本だから、ぼくにとって一番面白い話を選んでいる。とにかくぼくにしたら、この歴史の本を楽しんでほしいんだ。もし間違って、何かを学んだりしても、ぼくの責任じゃないからね!」気の利いた前書きだと思ったけれど。私が街のそこらのおじさんぐらいにはイギリス史に通じていれば面白く読めたのだろうが、この薄っぺらい本にずいぶんたくさんのことを詰め込んでいて目まぐるしくてたいへんだった。血に飢えたリチャードやヘンリーだのエドワードが他人の頭をちょん切りまくって現在の大英帝国があるということは重ね重ねよく印象づいた。
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カテゴリ:
欧州・政治経済社会
- 感想投稿日 : 2008年2月21日
- 本棚登録日 : 2008年2月21日
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