恋するハンバーグ 食堂のおばちゃん(2) (ハルキ文庫 や)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2017年5月11日発売)
3.80
  • (50)
  • (118)
  • (83)
  • (9)
  • (0)
本棚登録 : 1021
感想 : 81
4

孝蔵と一子のはじめ食堂の駆け出し時代が描かれている。まだ洋食屋の頃だ。そしてタカシも小2だ。孝蔵の人情が溢れ、一子とのコンビが調味料と同じく絶妙な匙加減だ。

ビフテキは、一子がタカシからヒントを得た。洋食とフランス料理の違い、食事と料理の違いも、感覚でわかっても言葉で説明できなかったが、一子の気づきにハッとさせられる。様々な覚悟が交錯する。

もんじゃといえば月島、洋食だろうか?ウルトラって、あのウルトラだと思ったら捻っていた。着地はウルトラE難度並みに美しい。ほっこりさせられた。

グラタンのように熱い時も冷めた時も美味しい人生を送りたいものだ。
ハンバーグ、変身?今度は仮面ライダーか?本当に強い人は威張ったり、言葉で脅したりしない。ハンバーグの変身の例えは決して下手ではなかった。

料理の味はその人の思い出とともに記憶に残る。コンソメスープの優しさが、なんとも気持ちも温めてくれた。
始まりがあれば別れは必ず来る。そして別れはまた、始まりでもある。新しい味を求めて人生をかけるのに、ラーメンは一点集中できる良い選択だと感じた。

それぞれの話題が恋に焦がれ、甘酸っぱい味が伝わってきた。デザートはイチゴに練乳かけて食べたくなった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 山口恵以子
感想投稿日 : 2024年3月18日
読了日 : 2024年3月18日
本棚登録日 : 2024年3月14日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする