寄港地のない船 (竹書房文庫)

  • 竹書房 (2015年7月2日発売)
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本棚登録 : 48
感想 : 9
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巨大な宇宙船の中で、原始的な生活で生き延びている人間たち。主人公たちが、船内の別の場所へ探索の旅に出て未知の部族に出会ったりするうちに、彼らの船はどこかの星から地球に戻る途中のはずだが漂流しているらしいことが分かる。さらに船内には彼ら人間の他にも知能の発達したネズミたちや巨人族、よそ者と呼ばれる怪物たちがいるようで、戦いが繰り広げられる。
とにかく、ジャングルのように植物に覆われて野生動物や昆虫が広がっている宇宙船じたいが面白い。閉鎖的で原始的な宗教を信じてたり主人公たちの設定が興味深いし、ラストではちゃんとその原因が語られる。
ただあまりにも古いせいだろうけど、未来の話なのに女性が古い概念のまま描かれていて、いくら退化した人間集団のせいだとしてもイライラする。矛盾も多いし欠点もたくさん目につくが、刺激的で興味深い話だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2022年10月19日
読了日 : 2022年10月19日
本棚登録日 : 2021年4月15日

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