読もう、読もうと思いつつ、青春コンプレックスの私にはどうも開くのが躊躇われる小説でした。
満を辞して…というか覚悟をきめてようやく読みました(笑)
感想はと言うと、思っていた程ダメージも少なく、けれど高校生の日常や機微が丁寧に描かれた良い話だと思いました。
「桐島」が部活をやめる、ということを軸に揺れるそれぞれの少年少女たち。
桐島本人が一度もでてこない構成は斬新で面白かった。
主に、スクールカースト下位の高校生に焦点があてられていて、そのことでまた一筋縄ではいかない青春をよく現せているな、と感じました。
まぁ私の通っていた高校には、茶髪や化粧をしている人、下位の人物を貶すような雰囲気はなかったのですが。
あー高校生にもどりたい。
最後の宏樹の章が心に残りました。
もしかして朝井リョウ自身がモデルになっているのでは…?と勘ぐってしまう程、これは朝井リョウがとにかく書きたかった部分なんだなと感じました。
何にでもなれる、大きな未来が広がっている、でも自分は何をしたいのか、どうすればいいのかも分からない。
まだ小さな世界の中にいる彼らが抱く、漠然とした焦燥感、虚無感が、私には手に取るばかりです。
朝井リョウって、どの作品でもこのテーマを描いてるような気がする。
何者かになりたくてもがく若者、みたいな。そういうの好き。
とりあえず桐島部活やめたらあかんでー!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(国内)
- 感想投稿日 : 2015年7月9日
- 読了日 : 2015年7月9日
- 本棚登録日 : 2015年7月9日
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コメント 1件
aida0723さんのコメント
2015/07/26