北欧こじらせ日記 移住決定編

  • 世界文化社 (2022年8月25日発売)
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感想 : 71
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「フィンランドに住みたい」という夢の実現に向け、ついに寿司職人への道を歩み始めた著者のちかさん。
最初に寿司職人という活路を見出してから、実際に寿司学校に通い始めるまでに5年の月日が経ったそうで、いくら時間がかかろうと諦めてはいない気持ちが素敵だと思った。
私も同じように、何かを始めようと思ったらまずはとことん準備から始めてしまうタイプ。石橋を叩いて叩いて渡らないどころか、壊してやめてしまうことさえある。
新しい環境になかなか飛び込めないところが似ている気がして、ちかさんに親近感を覚えてしまった。ちかさんが言うように、私にとってもちかさんの北欧こじらせ人生が「自分と似た境遇の人の話」であり、「自分だけのヒーロー」なのかもしれない。
寿司学校での修業は、大変なこともたくさんあったのだろうけれど、コミカルでとても楽しそうだった。姿造りの写真のなんと豪勢なこと……!あと大根の神さまが可愛い。
卒業後も仕事を掛け持ちして研鑽を積み、フィンランド移住のための就活をして、英語の面接を突破して、見事にオファーレターを受け取ったところでは、祝福と感動で思わず涙ぐんだ。

夢を言葉にして発信したり、夢に向かって努力していたりすれば、それを応援する力が集まる。
本書でたくさん描かれている、ちかさん以上にちかさんの夢を信じていたまわりの人たちがとにかく優しくてあたたかいのだけど、夢を追って努力し続ける姿は自然とそういう人たちを引き寄せるのだろう。
そして憧れのフィンランドの地で、さらなる成長を遂げているちかさんを本当に心から尊敬。見習いたいところがたくさん。
私も「いつか」を「今」に変えるため、まずはなにからはじめよう!とワクワクする前向きな気持ちを呼び起こされた。
フィンランド好きはもちろん、そうじゃない人にも読んでもらいたい。夢を追うこと、夢を実現させることの素晴らしさにあふれた、人生讃歌のような一冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック
感想投稿日 : 2023年9月26日
読了日 : 2023年9月26日
本棚登録日 : 2023年9月26日

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