気軽でやさしいタイトルに癒しを求めて読んでみたけど、入り口と出口が全く違った。でもこの裏切り感、イヤじゃないです。
無愛想な家政婦、筧さんのキャラが温かく、
一緒に起業した仲間たちをおいしいご飯で癒していく過程にほっこりしていたら、ミステリー要素が加速していき、怖さを感じた。
苦楽を共にした仲間も、あるカリスマの求心力によって繋がっている関係にすぎなかった。
カリスマを盲信し支配される者と、この関係に依存するカリスマ。この歪みを当の本人はなかなか気付いていない、もしくは認めたくないのだろう。
田中は仲間を守るため、柿枝と決別するのだが、それでも柿枝に対し罪悪感を持ってしまう。尊敬する友達って厄介。。
こういった関係性はDVや宗教といった解りやすい形だけじゃなく、社会にはゴロゴロ転がっているということに怖さを感じる。
ヒヤリとした読後感だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
真夜中の本棚
- 感想投稿日 : 2023年11月27日
- 読了日 : 2023年11月27日
- 本棚登録日 : 2023年11月27日
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