まずはこれ食べて (双葉文庫 は 33-03)

著者 :
  • 双葉社 (2023年4月12日発売)
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本棚登録 : 2774
感想 : 160

気軽でやさしいタイトルに癒しを求めて読んでみたけど、入り口と出口が全く違った。でもこの裏切り感、イヤじゃないです。

無愛想な家政婦、筧さんのキャラが温かく、
一緒に起業した仲間たちをおいしいご飯で癒していく過程にほっこりしていたら、ミステリー要素が加速していき、怖さを感じた。
苦楽を共にした仲間も、あるカリスマの求心力によって繋がっている関係にすぎなかった。
カリスマを盲信し支配される者と、この関係に依存するカリスマ。この歪みを当の本人はなかなか気付いていない、もしくは認めたくないのだろう。
田中は仲間を守るため、柿枝と決別するのだが、それでも柿枝に対し罪悪感を持ってしまう。尊敬する友達って厄介。。

こういった関係性はDVや宗教といった解りやすい形だけじゃなく、社会にはゴロゴロ転がっているということに怖さを感じる。
ヒヤリとした読後感だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 真夜中の本棚
感想投稿日 : 2023年11月27日
読了日 : 2023年11月27日
本棚登録日 : 2023年11月27日

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