登場人物のほとんどの人が「さん」付けで語られる珍しい作品です。
架空の雪沼という地方の町とその周辺で生活をしている人々を描いた連作短編集です。
純文学よりの作品です。
前置き的な説明もなく、人々の人生の一場面である現在と過去がするりと描かれます。
説明がないため最初は一体何の話をしているのと思ってしまいますが、読み進めれば、何のことなのかが分かってきます。
大きな事件が起こることもなく、どちらかと言えば静かな小説だとは思います。
しかしながら、静謐とも違うようで、どう言い表すのが良いかと考えてしまいますが、文庫解説の池澤夏樹さんが、本作の特徴を端的に言い表していました。
個人的に良かったのは「送り火」です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
短編(中編)小説
- 感想投稿日 : 2023年10月30日
- 読了日 : 2023年10月30日
- 本棚登録日 : 2023年10月29日
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