ぶたぶたのいる場所 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社 (2006年7月12日発売)
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目次
・人形の夜~春の物語
・柔らかな奇跡~夏の物語
・不機嫌なデズデモーナ~秋の物語
・アリスの迷宮ホテル~冬の物語
・小さき者と大きな空~再び、春の物語

今回のぶたぶたさんは、海辺の瀟洒なリゾートホテルで、基本的にはお客さんに姿を見せないバトラー兼社員の指導係。
そのせいか、姿を目撃した者は幸せになれるという伝説があるとかないとか。

通しのストーリーとしては、ホテルの周年イベントとして、街の人たちが演じるお芝居を、東京の有名な演出家の指導の下におこなう、というもの。
演目はシェークスピアの『オセロ』
4大悲劇の一つです。
が、演出家は、この舞台の主役といってもいいくらいの重要な役イアーゴーの役をぜひぶたぶたさんに、とゴネる。
え?マジすか?

その他のキャストにもいろいろ事情があったりで面白いのだけど、なんといっても実際の舞台の様子が最後の「小さき者と大きな空」で描写されていて、演出家の意図がわかると納得しかない展開に。
これからこの本を読む方は、ぶたぶたさんがこの芝居唯一の悪役をどう演じるか、を楽しみにお読みください。

そして、単純に大笑いしたのが「アリスの迷宮ホテル」。
ホテルに缶詰めになったホラー作家が、ぶたぶたさんと関わることでどんどん壊れていく…っていうか、最終的にはヒット作書けてよかったね、ホラーじゃないけど。
作家の脳内がもう大爆笑で、おすすめ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月15日
読了日 : 2022年6月15日
本棚登録日 : 2022年6月15日

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