私もたいがい文房具好きだと思っていたけれど、片岡義男には及びもつかないことを痛感させられました。
外見の美しさや機能に惚れこむと、国内で、海外で、同じものを大量に買い込む彼は、その文房具を美しく写真にとどめるために、構図や光量やフィルムなどにこだわり、その写真にストーリーを与えるのだから。
一目で気に入って30冊買ったモールスキンの手帳。
銀座の伊東屋で一編に買った19個の消しゴム。
好きなインクを持ち味のいい本体と組み合わせてカスタマイズするボールペン。
色違いのステープラー(ホッチキス)。
サイズ違いのメモパッド。
そんなに大量に買っても使いきれないだろう。
実際買ったまましまい込んでいるものがほとんどのようだ。
だって今さらクレヨンとか、チョークとか、彼には必要ないだろう。
余談だが、彼の持っているドイツのチョークは断面が四角い。
しかもクレヨンのように持つ部分を紙で保護している。
転がり落ちにくい、手が粉っぽくならないチョーク。
日本のチョークはなぜ進化しないのだろう?
美しい文房具の写真をうっとりと眺めながら、つくづく自分は実用文房具へのこだわりだけしかないなあと思う。
消しゴムはステッドラーのものを10年くらいかけて使いつぶす。
クロスワード用にはペンシル型のノック式消しゴムを愛用。
ボールペンは、昔はZEBRAのジムニーが一番好きだったけど、グリーン購入法施行以来つくられなくなってしまったので、今は三菱のuni-ballかPentelのRollyが書きやすくて好き。
そう、結構心狭く文房具に接しているくせに、文房具コーナーに行けばあれこれと吟味し、文房具についての本を見つければついつい読んでしまう。
ああ、文房具って魔物だよねえ。
- 感想投稿日 : 2019年1月28日
- 読了日 : 2019年1月28日
- 本棚登録日 : 2019年1月28日
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