ダン・ブラウンの「デセプション・ポイント」は、先に翻訳された「天使と悪魔」や「ダ・ヴィンチ・コード」と違って、ノン・シリーズものの一篇。
この本は、大統領選を背景にした、ポリティカル・スリラーだが、人物造型が浅薄なので、物語から緊張感が失われていて、プロットの展開にも新味がなく、それが致命的になっている。
人間ドラマを作るために、人物造型の鮮やかさが求められるのではなく、それは物語に漲る緊迫感のために必要とされるのだが、それが全く感じられない。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2023年11月8日
- 本棚登録日 : 2023年11月8日
みんなの感想をみる