市場の期待を株価で読み解くエクスペクテーション投資入門

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2003年5月1日発売)
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感想 : 5
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古本は高いし、地元の図書館にはないので原著を読んだ上でのレビュー。

投資は言ってしまえば本質的価値と価格の差をとりにいくものだ。
自分のビューだけで本質的価値を追い求めるのもありだが、ある程度市場は効率的だと思えるのなら、何が折り込まれているかを知ることは有意義なはずだ。
何が織り込まれているかを価格(現在の株価)からバックエンジニアリングしようというのが本書である。

何となくできそうと思える考え方ではあるが、本書はその道筋を明快に示している点で良書だといえるだろう。確かにDCFでは変数が多くなりすぎるし、マルチプルでは単純化しすぎ感があるので、妥当なモデルではないだろうか。ちなみに本書のモデルを少し単純化して式変形すれば、鉛筆と紙だけあればインプライド成長率を出せそうである。
(Twitteで、PBRの分解の利用を提案いただいた。詳しくはこちらhttps://www.eval.tech/Valuation-Multiples-A-Primer.pdf のp15, Table7参照。)

一方で、星5でないのは例が少ないのと、思っていたよりも内容がなかったから。期待値が高かっただけかもしれない。

読書状況:積読 公開設定:公開
カテゴリ: 投資
感想投稿日 : 2020年7月7日
本棚登録日 : 2020年7月7日

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