古本は高いし、地元の図書館にはないので原著を読んだ上でのレビュー。
投資は言ってしまえば本質的価値と価格の差をとりにいくものだ。
自分のビューだけで本質的価値を追い求めるのもありだが、ある程度市場は効率的だと思えるのなら、何が折り込まれているかを知ることは有意義なはずだ。
何が織り込まれているかを価格(現在の株価)からバックエンジニアリングしようというのが本書である。
何となくできそうと思える考え方ではあるが、本書はその道筋を明快に示している点で良書だといえるだろう。確かにDCFでは変数が多くなりすぎるし、マルチプルでは単純化しすぎ感があるので、妥当なモデルではないだろうか。ちなみに本書のモデルを少し単純化して式変形すれば、鉛筆と紙だけあればインプライド成長率を出せそうである。
(Twitteで、PBRの分解の利用を提案いただいた。詳しくはこちらhttps://www.eval.tech/Valuation-Multiples-A-Primer.pdf のp15, Table7参照。)
一方で、星5でないのは例が少ないのと、思っていたよりも内容がなかったから。期待値が高かっただけかもしれない。
読書状況:積読
公開設定:公開
カテゴリ:
投資
- 感想投稿日 : 2020年7月7日
- 本棚登録日 : 2020年7月7日
みんなの感想をみる