「池波正太郎」の連作短篇時代小説『剣客商売(三) 陽炎の男』を読みました。
『新装版・梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安(四)』、『剣客商売(一) 剣客商売』、『剣客商売(二) 辻斬り』に続き、「池波正太郎」作品です。
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老剣客「秋山小兵衛」とその息子「大治郎」が悪に挑む!
累計2400万部突破の大人気シリーズ。
若衆髷をときほぐし、裸身を湯槽に沈めた「佐々木三冬」に、突然襲いかかる無頼の浪人たち。
しかし、全裸の若い女は悲鳴もあげず、迎え撃つかたちで飛びかかっていった。
隠された三百両をめぐる事件のさなか、男装の武芸者「三冬」に芽ばえた「秋山大治郎」へのほのかな思いを描く表題作。
香具師の元締のひとり娘と旗本の跡取りとの仲を「小兵衛」がとりもつ『嘘の皮』など全7編。
シリーズ第3作。
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面白くて、どんどん次が読みたくなる『剣客商売(けんかくしょうばい)』シリーズの第3作… 1973年(昭和48年)に刊行された作品です、、、
「大治郎」の成長が感じられ、父「小兵衛」に近付いてきた感じがしましたね… そして、それに合わせるかのように「三冬」の恋の対象も変化が見られました、今後の行方が愉しみです。
■東海道・見付宿
■赤い富士
■陽炎の男
■嘘の皮
■兎と熊
■婚礼の夜
■深川十万坪
■解説 常盤新平
「大治郎」が剣術修行のために諸国をまわっていた際、遠州・浜松で世話になった「浅田忠藏」から本人の筆跡ではない手紙が届く… その手紙の内容から「浅田忠藏」が命の危機にあることを知った「大治郎」は大急ぎで東海道・見付宿に下り、「浅田忠藏」が土蔵に閉じ込められていることを知り、救い出すために行動する『東海道・見付宿』、
不二楼の亭主「与兵衛」が、女遊びが原因で脅されていることを知った「小兵衛」が事件を解決… 「小兵衛」は、欲しくて欲しくて仕方のなかった「与兵衛」の持っている赤い富士の掛け軸を手に入れることに成功する『赤い富士』、
「三冬」が根岸の寮で入浴中に襲われるが反撃して追い返す… 「三冬」を襲った目的は?この根岸の寮のもともとの持ち主である「井村松軒」という医者が隠していた三百両に関わる事件を解決する『陽炎の男』、
香具師の元締「鎌屋辰蔵」の娘「お照」に手を出してしまい、子分たちにいたぶられていた「松村伊織」を「小兵衛」が助けるが、相手が相手だけに事件はそう簡単には収まらなかった… 「小兵衛」が知恵をしぼって円満解決に導く『嘘の皮』、
町医者「小川宗哲」の愛弟子「村岡道歩」の娘「房野」が攫われ、娘を返す条件として毒薬を調合しろと迫られる… 「小川宗哲」から相談を受けた「小兵衛」がお家騒動に絡む事件を解決する『兎と熊』、
「大治郎」は、自分を訪ねてきた「浅岡鉄之助」が何者かに狙われていることを知り「小兵衛」に相談するが、「今回のことは「大治郎」の友人のことであるから」と、「小兵衛」は解決を「大治郎」に委ねる… 「大治郎」はどのように解決をするのか?「大治郎」の成長が感じられる『婚礼の夜』、
近所では評判の怪力婆さん「おせき」が侍を軽くあしらっている様を、偶然通りかかった「小兵衛」は目にする… その後、屈辱を受けた侍たちが「おせき」の営む升酒屋を襲うが、別人に成りすまして宿泊していた「小兵衛」が撃退、人の手本となるべき武家の侍たちの所業であることを知った「小兵衛」の怒りが炸裂する『深川十万坪』、
本作品も、どの物語も外れがなくて面白かったですねー 読めば読むほど、『剣客商売』ワールドに深く深く沈んでいってます、、、
イチバン印象的だったのは、「小兵衛」の怒りが炸裂してカタルシスを大きく感じる『深川十万坪』ですね。
次も本シリーズを読もうと思いますが、第4作は書棚に揃ってないんですよね… 次は、ちょっと飛んで第7作になりそうです。
- 感想投稿日 : 2023年4月28日
- 読了日 : 2020年5月29日
- 本棚登録日 : 2022年3月11日
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