アメリカの作家「ジョン・ハート」の長篇ミステリ作品『キングの死(原題:The King of Lies )』を読みました。
「アリス・ラプラント」、「ノア・ホーリー」に続き、アメリカのミステリ作品です。
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失踪中の辣腕弁護士が射殺死体で発見された。
被害者の息子「ワーク」は、傲慢で暴力的だった父の死に深い悲しみを覚えることは無かったが、ただ一点の不安が。
父と不仲だった妹が、まさか…。
愛する妹を護るため、「ワーク」は捜査への協力を拒んだ。だがその結果、警察は莫大な遺産の相続人である彼を犯人だと疑う。
アリバイを証明できない「ワーク」は、次第に追いつめられ…。
「スコット・トゥロー」の再来と激賞されたデビュー作。
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2006年(平成18年)に発表された「ジョン・ハート」のデビュー作で、同年のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞) 処女長編賞候補、マカヴィティ賞新人賞候補、バリー賞新人賞候補になるなど、高い評価を得た作品… 期待して読みました、、、
600ページのボリュームがあり、中盤までは、回想を交え物語がゆっくりと進むので、もどかしさが強かったのですが… 意外な事実が徐々に判明し、展開が読めないスリリングな終盤は面白くて一気読みでしたね。
ノースカロライナ州・ソールズベリー市、弁護士の「ジャクソン・ワークマン・ピケンズ(通称:ワーク)」は、依頼人と接見に訪れた拘置所で、父「エズラ」の死体が見つかったと知らされる… 頭部を撃たれており、他殺であるのは明らかだった、、、
現役の敏腕弁護士だった父の行方がわからなくなって18か月、既にこの世の人ではないだろうと覚悟はしていたものの、その知らせに「ワーク」は動揺する… 父が死んだからではない、犯人に心当たりがあったからだ。
「エズラ」は、貧しい家の出身で、裸一貫でソールズベリー屈指の弁護士にのし上がり、金と名誉に異様なほど執着し、代々裕福な同業者を激しく憎み、非情で思い遣りのかけらもない人物で、家族に対しても、まさに暴君のような振る舞いで妻子を支配していた… 父がいなくなった経緯を考えれば、殺したのは「ワーク」の妹「ジーン」でしかありえない、、、
だが、夫との破局以来、精神が不安定となっている「ジーン」を刑務所送りにするわけにはいかない、何としても守りたい、そのためには自分が身代わりになっていもいいとまで思い詰める「ワーク」は、警察が妹への疑いに目を向けぬよう、必死の抵抗を試みる… しかし、犯人は「ジーン」ではなかった。
身代わりとなる必要がなくなった「ワーク」だったが、父の遺書が明らかになり、「ワーク」に1,500万ドルの遺産が信託として相続されることが判るや事態は一転、容疑は「ワーク」に向けられる… 「ワーク」は、自らの容疑を晴らすため、旧知の探偵「ハンク・ロビンズ」に協力を依頼し、真相を探ろうとする、、、
そして、「エズラ」の性質に起因する「ピケンズ一家」における親子の確執や、「ワーク」と妻「バーバラ」との夫婦間の問題、「ワーク」が子ども時代から抱えている「ヴァネッサ・ストールン」の事件に関する罪の意識がしだいに浮彫りとなり、事件は混迷する、、、
「ワーク」は、真相を探るうちに自分が父に支配されていたことに改めて気付き、父の言いなりで結婚した「バーバラ」との生活に終止符をうつためい、その気持ちを「バーバラ」に打ち明けるが、「バーバラ」は二人は出直すことができると激しく抵抗する… 「バーバラ」を振り切って家を出た「ワーク」は、事務所で父が遺した金庫を開けることに成功、そこで発見されたビデオテープから、父と妻の関係、そして、事件の意外な真相に気付くが、そのとき犯人は目の前に迫っていた。
ホントに終盤は面白かった… 家族の在り方、親子や夫婦の在り方について考えさせられる作品でもありましたね、、、
でも、ハッピーエンドで良かった… 「ジョン・ハート」の別な作品も家族がテーマのようなので、機会があれば読んでみたいですね。
以下、主な登場人物です。
「ジャクソン・ワークマン・ピケンズ(=ワーク)」
弁護士
「エズラ」
ワークの父
「ジーン」
ワークの妹
「バーバラ」
ワークの妻
「アレックス・シフテン」
ジーンの友人
「ヴァネッサ・ストールン」
農場主
「マクスウェル・クリーソン」
浮浪者
「ダグラス」
地区検事
「ミルズ」
刑事
「ハンク・ロビンズ」
探偵
「クラレンス・ハンブリー」
弁護士
- 感想投稿日 : 2023年2月20日
- 読了日 : 2019年2月12日
- 本棚登録日 : 2022年3月11日
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