人間動物園 (双葉文庫 れ 1-5)

著者 :
  • 双葉社 (2005年11月1日発売)
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「連城三紀彦」の長篇ミステリ作品『人間動物園』を読みました。
ここのところ「連城三紀彦」の作品が続いています。

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記録的な大雪にあらゆる都市機能が麻痺するなか、汚職疑惑の渦中にある大物政治家の孫娘が誘拐された。
被害者宅の至る所に仕掛けられた盗聴器に、一歩も身動きのとれない警察。
追いつめられていく母親。
そして前日から流される動物たちの血・・・。
二転、三転の誘拐劇の果てにあるものとは!?
「連城」マジック炸裂の驚愕ミステリー。
「このミステリーがすごい!」2003年版・第7位。待望の文庫化!!。
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2002年(平成14年)に刊行された誘拐モノです。

関東が記録的な大雪に見舞われる中、埼玉北部の住宅地で、汚職疑惑の渦中にある大物政治家「家野大造」の孫娘「梅原ユキ」が誘拐され、1億円が要求された… 被害者の自宅にはいたるところに盗聴器が仕掛けられ、警察は被害者の家に入り込むことさえできない、、、

近隣で数日前から起こっていた動物の連れ去り事件、繰り返される無言電話、追い詰められていく母親「芳江」…… 「発田元雄」、「朝井梁次」、「華野一典」等の警察は、狂言の線を疑いながらも、なんとか犯人の手掛かりを得ようとするが……。


誘拐されたのは4歳の少女「ユキ」ではなく母親の「芳江」!? いやいや、実は警察が!?…… 狂言誘拐?二重誘拐?それとも三重誘拐? 二転三転の誘拐劇、複数の盗聴器を巧みに仕掛けた犯行、、、

そして、白紙にすり替わった身代金の1億円、そして、新札と入れ替えられた現場の警察官から集めた14枚の一万円札の謎… 終盤まで真相が判らず愉しく読めましたが、事件の構図が複雑で理解し難いことと、動機に共感できなかった部分がちょっと物足りませんでした。


以下、主な登場人物です。

「発田元雄」
 52歳の巡査部長。通称「ゲンさん」

「朝井梁次」
 32歳の巡査。バツイチ。発田の部下。

「梅原芳江」
 家野輝一郎の元妻。

「梅原ユキ」
 芳江の娘。4歳。

「華野一典」
 県警捜査一課特殊班の刑事。48歳。

「篠原美晶」
 特殊班の刑事。巡査部長。

「成木竜三」
 捜査本部長の警視。

「国島栄二」
 41歳の巡査部長。メカに強い。

「坂上礼子」
 梅原家の隣人。

「家野輝一郎」
 家野大造の三男。

「家野大造」
 汚職疑惑の渦中にある前閣僚。

「家野剛一」
 大造の長男。国会議員。

「家野絹子」
 大造の妻。

「鶴乃」
 大造の愛人。輝一郎の母。

「大任達夫」
 関東新聞社浦和支局員。

「永島行彦」
 カメラマン。

「沢村」
 梅原家のはす向かいの住人。未亡人。

「川永玉枝」
 輝一郎の再婚相手。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: <読む>ミステリ(国内)
感想投稿日 : 2024年1月4日
読了日 : 2021年10月25日
本棚登録日 : 2022年3月11日

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