殺しのパレード (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

  • 二見書房 (2007年11月27日発売)
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感想 : 18
4

アメリカの作家ローレンス・ブロックの連作ミステリ短篇集『殺しのパレード(原題:Hit Parade)』を読みました。
『殺しのリスト』に続き、ローレンス・ブロックの作品です。

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【殺し屋ケラー】シリーズ
殺しの計画の微妙なずれに、孤独な仕事人の心は揺れる……人気シリーズ好評の第三弾!

ケラーが今回依頼されたターゲットは、メジャーリーグの野球選手。
球場へ足を運んだケラーは、その選手が通算四百本塁打、三千安打の大記録を目前にしていることを知る。
仕事を逡巡するケラーがとった行動とは?
上記の『ケラーの指名打者』をはじめ、ゴルフ場が隣接する高級住宅地に住む富豪、ケラーと共通の趣味をもつ切手蒐集家、集団訴訟に巻き込まれる金融会社役員など、仕事の手筈が狂いながらも、それぞれの「殺し」に向かい合うケラーの心の揺れを描いた連作短篇集!
原題:Hit Parade

【伊坂幸太郎 氏】
ローレンス・ブロックからはあからさまに影響を受けています。
『殺し屋ケラー』シリーズは僕が書きたいものの到達点であるような気すらします。

【名物書店員さん絶賛! このミステリが熱い!】
40代、独身、職業・殺し屋……。依頼を受け、見知らぬ土地に向かい、そして“仕事”をするだけ。
派手なことはなにもない、まるでビジネスマンのような男。
だが、その“日常”が読ませるのだ!
孤独な中年男の心のゆれが、ロマンの香気さえ漂わせ、読み手をグイグイ引きこむ。
断言しよう、読み終えたときのあなたの「もっとも好きな殺し屋」にケラーはなっていると!!!
─────ときわ書房 船橋本店文庫担当 宇田川拓也
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2006年(平成18年)に刊行された、殺し屋ケラーシリーズの第3作で、以下の9篇が収録されています。

 ■ケラーの指名打者 Keller's Designated Hitter(2001)
 ■鼻差のケラー Keller by a Nose(2006)
 ■ケラーの適応能力 Keller's Adjustment(2005)
 ■先を見越したケラー Proactive Killer
 ■ケラー・ザ・ドッグキラー Keller the Dogkiller(2008)
 ■ケラーのダブルドリブル Keller's Double Dribble(2006)
 ■ケラーの平生の起き伏し Quotidian Keller
 ■ケラーの遺産 Keller's Legacy
 ■ケラーとうさぎ Keller and the Rabbits(2003)

相変わらず面白かったですねー ターゲットとなる人物が、大記録を目前にしたメジャーリーグの野球選手、競馬の騎手、ケラーと同じ切手収集家から、なんと犬まで… ケラーが赴く前に、殺されることを察知したターゲットが逆に依頼人を殺害していたり、ケラーに殺しを依頼した二人の人物が、それぞれ当初のターゲットとは異なるターゲット(お互い)をターゲットに変更したりと、バリエーションが豊かで一筋縄ではいかない事件ばかりで愉しめましたね、、、

9.11がケラーに与えた影響が描いてある展開には時代性を感じましたね… バスケットボールから、ケラーが子ども時代の母子の関係を回想したり、自らの死に備えてドットに切手のコレクションの処分方法を指南したり、ケラーが独り言の相手に犬のぬいぐるみを購入したりと、しんみりする展開も印象的でした。

ケラーとドットのウィットに富んだ会話会話も健在… ある事件をきっかけにドットが株にはまる展開も意外性があって良かったな、、、

本シリーズ、他の作品も読んでみたいんですが… 古書店でも滅多に置いてなくて、入手困難なんですよねー 残念。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: <読む>ミステリ(海外)
感想投稿日 : 2022年4月17日
読了日 : 2022年4月17日
本棚登録日 : 2022年4月4日

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