日本における西洋史学の受容からその後の進展を、主要な学者の業績等を通してたどろうとするもの。
大塚久雄、上原専禄のビッグネームを除いてはほとんど知らない人だったので、全体を興味深く読んだ。
通読して思ったことは、西洋学説の受け売りではなく、日本で西洋史を研究することの難しさ、どこにその意義を見出すのかが重要であるということ。
もちろんそのテーマを選ぶ問題意識も大事であるが、特に、歴史学は何といっても史料をいかに読み解くかが基本中の基本であるから、史料へのアクセスに物理的にも言語的にも制約がある日本人が取り組むことは極めて難しいと思う。その点、上原専禄が「原史料への沈潜」という姿勢で、その論文が高く評価されたことなども本書で知ることができた。
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- 感想投稿日 : 2023年7月11日
- 読了日 : 2023年3月13日
- 本棚登録日 : 2023年3月18日
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