高峰秀子の文章を初めて読んだのは、文庫版『わたしの渡世日記』だった。彼女の映画出演作を何本か見たことがあって、こんな本も書いているのかと思って読んだ記憶がある。
子役としてのデビューに至る経緯や養母との愛憎渦巻く関係、学校にもほとんど行けなかったことなどには驚かされたし、女優として幼い頃から一家の稼ぎ頭であったことから来る生意気さやガンコさを、これでもかと明かしているところに興味を持った。
本書でも、『私の渡世日記』から何編か文章が引かれているが、飾り気はないが凛とした良い文章だと思う。
改めてこうしてまとめられた文章を通読して、自らを律するに厳しい人だったのだなあと思う一方、松山善三氏という良き伴侶に恵まれて、本当に良かった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年1月16日
- 読了日 : 2022年10月30日
- 本棚登録日 : 2022年10月31日
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