シリーズ第3回配本。
本書の取り上げる時期範囲は、細川政元暗殺の永正の錯乱以降、信長が義昭を擁して上洛するまでのほぼ半世紀であり、畿内を巡る政治情勢を主に、経済、文化、宗教等にも目を配りつつ叙述していく。
一読し、将軍家及び管領家細川氏の分裂が、この時代の大枠に影響したということは分かるのだが、一族間の対立抗争が組合わせを代えつつ続いていくため、人名等の固有名詞がゴッチャになってしまう。敵の敵は味方だったのが、その敵がいなくなったため争いが始まるというように、どうしてそうした敵対関係になってしまうのか、この時代が分裂の時代とは言え、その点がもう一つ良く分からなかった。
とは言え、三好長慶の統治形態と信長のそれとの比較とか、都市の発展、戦国仏教の状況等、今までほとんど知識のなかった畿内における歴史の展開について、まとまった理解を得られて、大変勉強になった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年8月2日
- 読了日 : 2020年8月2日
- 本棚登録日 : 2020年8月2日
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