真珠湾攻撃、広島への原爆投下。戦争中の悲しいふたつの出来事と、自分のわずかなつながりを見い出した作者が平和を願って綴った詩。
真珠湾攻撃と広島への原爆投下を同列に考えていいものかという議論はあるかもしれない。ただ、実名を多く用いた本作は、犠牲者ひとりひとりに家族がいて、生活があった、未来があったことを描いている。そこが、ずんと胸に来る。
原書と見比べて、いろいろ詩の訳し方について勉強させられる……。けっこう省かれている部分もあるんだな。でも、原文の言いたいことは伝わっているし、自然だし、淡々とした語りがいい。余計に胸にささる。
原書で事実誤認なのでは?と思われたところも、ちゃんと直されている……!
若い世代が戦争を過去、あるいは遠い場所でのフィクションのように感じている今、自分と戦争の悲劇とが間違いなく地続きだと気づいてほしい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
翻訳(児童書)
- 感想投稿日 : 2023年8月24日
- 読了日 : 2023年8月24日
- 本棚登録日 : 2023年8月24日
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