さよならクリームソーダ

著者 :
  • 文藝春秋 (2016年5月23日発売)
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本棚登録 : 351
感想 : 61
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美大に入学を機に上京した寺脇友親。同じアパートに住む才能豊かなイケメン先輩・柚木若菜を知るうちに、自分が抱える息苦しさの正体にも気づいてゆくー帯のことばより

辛口な感想になるかもしれませんが、描きたいことをいろいろ詰め込んだ感じが。そして予想以上に重いお話でした。

再婚した家族とその連れ子、家族に捨てられた絵画教室の先生。大切な人がいなくなること。
新しい家族のかたちを作品の中でひとつ、示すことができたら良かったかもと思いました。
加えて、将来に対する不安、芸術に身を置く人たちのなので、才能に対する羨望や嫉妬などなど…葛藤もあったり…
所々ぐっとくるところがあったものの、最終的になんとなく丸く収まった感じでした。

とはいえ、たくさんの美大の個性的な先輩たちや友親の同級生やイキイキと描かれる大学生活は楽しく、特に!柚木若菜先輩のキャラクターには魅力されました!寂しさを抱えた捉えどころのない、ふと居なくなってしまいそうな感じ。
あと、ヨシキさんにも惹かれました!どこか諦めていて強いのか弱いのかわからないところとか。
無茶苦茶な涼でさえも、憎めない気がします。

"さよなら"で始まる題名ばかりを検索して出会えた作品。初めて読む作家さんで楽しかったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年10月10日
読了日 : 2021年10月10日
本棚登録日 : 2021年10月5日

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