この気持ちもいつか忘れる (新潮文庫 す 29-2)

著者 :
  • 新潮社 (2023年6月26日発売)
3.13
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本棚登録 : 1679
感想 : 63
3

けっこう評価が別れる作品なのかもしれないと思った。

序盤はSFで後半は説教。いちおうジャンルは恋愛だけど、『君の膵臓~』みたいな恋愛作品を期待している人には刺さらないとおもった。むしろ朝井リョウさんの、「人間ってこんな愚かな一面があるよね」的な要素が好きな人にはオススメできるかも。

異世界の少女に恋をした主人公が、その少女に対する想いをずっと捨てきれないいまま、でも大人になったらあんなに切実だったその気持ちを忘れていて、やべ、どうしよう~というのが本作のおおまかな流れで、主人公の気持ちはよくいえばピュア、悪くいえばいつまでも大人になりきれないイタいやつ。

自分は特別な恋をした、だから特別なんだ!という思想を主人公は永遠に訴え続けていて、共感はできるものの、読んでいて正直気持ちのいいものではなかったし、個人的には主人公を好きになれなかった。

感情の移り変わりの描写はていねいで、とっても繊細な作品だと思った。一方、ページ数の割りに響くものが少なかったので☆3つ。

あとミュージシャンとコラボしてるのか、小説を曲にしたものがあるだそう。歌詞をみる限りあまりいい感じではなかったので、そちらは聞いていない。笑

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年9月18日
読了日 : 2023年9月18日
本棚登録日 : 2023年9月18日

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