ルポ自殺 : 生きづらさの先にあるのか (河出新書)

著者 :
  • 河出書房新社 (2022年8月26日発売)
3.05
  • (2)
  • (3)
  • (12)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 140
感想 : 11
3

事象の羅列、文章の前後関係がわからなかったり事象がどこから切り替わったのかわからなかったりするが、得てして自殺するものの心理を考察している。
死にたいというより消えたいという感覚になるということだが、消えたいと思うことは誰しもあるのではないだろうか。そこでしばしの死んだあとの妄想で粛々と現実を生きる人と、決行してしまう人との差は何なのか。そこにはあまり差がなかったりするのだろうか。原因追及については現在も進んでいない状態とのこと。

いずれ死ぬのだから、死ぬまでこの世を楽しめばいいと思う。それは私が恵まれた環境で健全な心の持ち主だからそう思えるのであって、家族や環境に恵まれなかったりすると違う考えになるのだろうか。うつ症状を煩う人は真面目さから来るとか甘えなどというが、私は視野狭窄という免疫不足からくる病だと考える。日常=世界になってしまっている。
本の世界でも、空想の世界でも現実逃避はすぐに可能だし、死ぬくらいならすべての人間関係を絶って自由に暮らせばいい。こういう考えもかすらないくらいの精神状態になっているとしたら、それは明らかに病の一種ではなかろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月9日
読了日 : 2023年11月8日
本棚登録日 : 2023年10月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする