建築物、「タテモノ」は人によってつくられ、人のためにあるものだと思っていました。
建築物は人工物。
…じゃなかったとしたら。
この作品は、神でも妖怪でもないものがそこにいました。
命のないもの、だけどそこに存在しているものを描かれています。
おそらく昔の人たちはそういったものを神や妖怪と名付けてきたのでしょう。
神や妖怪は現代にはいないように語られていますが、この作品は現代における神や妖怪を描いているのだと思います。
昔話でのそれらは恐ろしくて理解できない、それでいてどこか人間味があります。
この作品でも、そこは同じです。
不確かで輪郭がなく、捉えきれない。
惑わされ、何かを感じざるを得ない。
なのにそっと寄り添い思いを馳せてしまう。
そんな作品です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ファンタジー
- 感想投稿日 : 2017年8月11日
- 読了日 : 2017年8月11日
- 本棚登録日 : 2017年8月11日
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