くるまの娘

著者 :
  • 河出書房新社 (2022年5月11日発売)
3.43
  • (115)
  • (164)
  • (196)
  • (82)
  • (30)
本棚登録 : 2651
感想 : 262
4

「くるまの娘」って変なタイトルよね。
全く何も心に訴えかけてこない。「くるま」と「娘」って単語が並んでいるだけで、なんなんだろう?
あまり関心はなかったが、オーディブルで見かけたので、芥川賞の宇佐見さんだし読んでみるかな、と。

テーマは「家族と自立」。
前半はやや退屈に感じた。
しかし、後半、祖母の葬儀からの帰りの車中、家族ならではの剥き出しの感情のぶつかり合いから俄然物語は盛り上がってくる。
そして、美し過ぎるラスト。

さすが芥川賞作家さん、読んでいる者全てを黙らせるほどの圧倒的にパワフルな筆致力だ。

生を選択し続け、死を拒み続けた積み重ねが今日の命。ただそれだけ。
ああ、そうなんだな、と。
だからこそ、重いんだな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年3月4日
読了日 : 2023年2月24日
本棚登録日 : 2023年2月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする