明るくて率直な鈴掛さんの言葉が真っ直ぐ伝わるQ&A形式のエッセイ集。
タイトルでもあっけらかんと仰っている通り、歌人の鈴掛真さんは同性愛だと公言している、オープンリー・ゲイ。
そんなマイノリティである彼が、マジョリティーの皆さんが疑問に思うであろう「ゲイに聞いてみたいこと」の質問に答える形。
けっこう、踏み込んだ質問にも答えてくれていると思う。
ゲイに興味はあるけれど(公言している人に)出会ったことないという方、学校や職場にいるのだけれど、どう接していいか分からないという方、逆に、ゲイはちょっと……と、内心思っている方にも、全部の方に読んでほしい。
ここに書いてあるのは、ひとりのゲイの恋バナだったり、同性愛者を巡る社会問題への一意見だったりするのだけれど、読んでいくごとに、自分と何ら変わらない部分も発見できる。
想像するに、ゲイがゲイであることに、直面する時って、当たり前だけど、他人に恋したとき、だけなんだよね。
恋した相手が、世間一般のマジョリティである異性でなかった、というだけ。
いうだけ、というと、当事者の方に怒られちゃうかもしれないけれど、他の部分はきっと異性愛者と、変わらないのだと思う。
ううん、人を想う気持ちも同性愛者も異性愛者も変わらないのだろう。
最近、LGBTQ+や、ノンバイナリー、アセクシャル、アロマンティック、ポリアモリーなど、性の世界の多様さが取り上げられるようになって、ホッとしている。
今までが窮屈だったことに気づいた。
たぶん、もっと、もーっと多様なんですけどね。
レインボーフラッグが表すように、グラデーション豊かな世界になったらいい、と思う。
この本は実は、一番読まれて欲しい読者層は、自分の性に悩む若い人なのではないか、と、感じた。
鈴掛さんの短歌がQ&Aごとに挟まれているのもいい。
学校の図書館に入れてほしい本です。
- 感想投稿日 : 2022年9月13日
- 読了日 : 2022年9月12日
- 本棚登録日 : 2018年12月4日
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