ひさしぶりの鑑賞。
この映画は高校の時の「映画鑑賞会」の候補の作品のひとつだった。
当時から外国映画が好きだった私は、この映画を推し、親しくなったばかりの同級生のひとりにも、推してくれるよう根回しをした。
しかし、アンケート結果は惨敗。
沖縄戦を描いた『ひめゆりの塔』に決定した。
『ショーシャンクの空に』は、2票しか入らなかったそうだ。
その後、どうしても観たかった私は、ひとりでシネコンに見に行った。
シネコンの階段下でこの映画のポスターを眺めていたのを覚えている。
この映画の本当の主人公は、アンディではなく、レッドなんだと思った。
語り手をつとめているというだけでなく、観客の代理人として、映画の中にいる。
刑務所という「世の中」のなかで、だいそれた希望を持つこともなく、自分の役割に努め、居場所を作って、生き延びている。
そこには地獄の中の平穏があった。
その刑務所に「異物」として入ってくるのが「妻とその愛人殺しのアンディ」。
アンディは、外の風を刑務所に持ち込み、レッドと友人となる。
レッドが「諦念」だとしたら、アンディは「希望」だ。
「諦念」は、「希望」を恐れているが、何よりも欲してもいる。
あきらめてもあきらめても、どこからか湧いてくるのが「希望」を欲する心。
ラストの「〜だといいが」の畳み掛けがいつまでも忘れられず、頭の中をぐるぐるしていた高校生のころを思い出した。
冒頭に書いた今は疎遠になった高校時代の同級生も、元気だったらいい。
一つ上の、宮崎出身の、穏やかで賢くて優しい子だった。
あのとき、根回しに乗ってくれてありがとう。
できれば、この有名な映画も、その後機会があって観てくれてるといいな。
- 感想投稿日 : 2024年2月26日
- 読了日 : 2024年2月26日
- 本棚登録日 : 2024年2月26日
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