遠い遠い未来、生産や消費など、生活のあらゆる要素が徹底的に管理されたコミュニティ社会。そこでは格差・貧困・犯罪も無ければ、争いの種になるような曖昧な発言も無い。性欲や痛みまでもが薬物によって制御されているため、人々は何も迷いもなく、幸せな日々を送る事ができる。生涯就く事になる職業が通告される「十二歳の儀式」を心待ちにしていたジョーナスだが、彼の職業は思いもよらぬものでー。アメリカでは中学の課題図書として、ほとんどの学生が一度は読んだ事があるであろう児童書。鉄板ネタを多く盛り込んでいて、悪く言えばオリジナリティに欠けるかもしれないけど、ディストピア的な世界を児童向けに描いたのに意義があるのでは。ネタバレになるから言えないけど、画一化も究極まで進むと、感情以外にもあるモノが失われてしまうのではないかという示唆が非常に衝撃的だった。個人的に終幕のシーンが好き。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2017
- 感想投稿日 : 2017年3月13日
- 読了日 : 2017年2月18日
- 本棚登録日 : 2017年2月18日
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