枕草子が面白いほどわかる本

著者 :
  • KADOKAWA(中経出版) (2006年9月1日発売)
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本棚登録 : 26
感想 : 3

駿台予備校京都校・京都南校の古文講師として活躍された、村上まり先生による『枕草子』入門書。坂口由美子先生の角川ソフィア文庫ビギナーズクラシックス『枕草子』も良いけれど、こちらも譲れないくらいに面白くて「読むべし!」と言わずにいられない傑作。

原文と「超訳」、それに対話形式の解説を加えた『枕草子』の抄訳で、さらに「ちょっと寄り道」と題したミニコラムや「古文一口メモ」や資料まで付いている。つまり、至れり尽くせりのガイドブックといっても過言ではないだろう。

正直なところ、マンガっぽい装丁とか「超訳」になっている現代語訳を見て、中高生向けの入門書だろうと思い、オジサンとしては食指が伸びなかった。しかし、勇気を出して手に取ってみると対話形式の解説が特に面白くて、グイグイと引っ張られる感じで購入することに。

古文講師として評判の良かった村上まり先生ならではの、痒いところに手が届く出来栄えで、清少納言が生きた時代の雰囲気がシッカリと伝わってくる。価格はビギナーズクラシックス版『枕草子』の2倍以上だけど、面白さといいボリュームといい、それに見合うだけの価値あり。余談だけど、某放送協会にも参考にして頂けたなら、きっと面白い番組ができるんじゃないかと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 『枕草子』&清少納言
感想投稿日 : 2011年2月9日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年2月6日

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