日本中世への招待 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2020年2月13日発売)
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本棚登録 : 345
感想 : 25
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大ヒット作「応仁の乱」で、すっかり有名になった著者。日本中世史を専攻し、特に一揆が専門の若手学者だ。
本作品は、戦乱相次ぐ中世において、人々がどんな日常生活を送っていたか、家族生活、教育、生老病死、交流などについて、目線を下げて書かれている。
当時の絵巻や図から、生活ぶりを解説するなど、素人にもイメージしやすいように、また、文章もできるだけ平易な表現が用いられている。
香典の風習も、念仏講などの互助組織もないため、貧しい人、親戚の少ない人は死者を風葬するしかなかったこと、武家社会で夫が間男を殺害する「妻敵打」が容認されていたこと、貴族や武士の間で、双六や囲碁で賭博を行っていたこと、出産のシーンを描いた当時の絵画が残っていることなどが強く印象に残った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2020年8月1日
読了日 : 2020年7月31日
本棚登録日 : 2020年7月27日

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