流石映画で有名なだけある。めちゃ良かった。
芥川賞作品って小難しいの多いけど、この作品はすごく読みやすい。文体もシンプルで、尖った言い回しもない。
書いてる内容は刺激強めだけど、登場人物達の人間関係が思ったよりドロドロしてないので、そんなにストレス無く読めた。全体的に蔓延ってる雰囲気はアングラの薄暗い感じだけど、主人公視点のアマやシバさんが凄く純粋だったり優しかったりするから、その辺のバランスが絶妙だった気がする。
主人公が酒に溺れてるのも体重減ってくのも、徐々に崩れてく描写が過大な強調をせず書かれてる。これは一人称視点で、主人公があまり自分が落ちてってる事自覚してないからなのかなと解釈した。その書き方もめっちゃ良い。
最後そうくるかー、って思った。分かるようで、納得出来ない様な…でもこの主人公ならそうなるのかな?とも思う。あんなにアマを愛してたのに…でもこの終わり方でこの作品は良い気もする。
物足りないとこ言うなら、この舞台設定ならもう少しジメジメした感じがみたい。ちょっと淡々とし過ぎてて、もう少し人間のドロっとしたとこ見たかった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年10月7日
- 読了日 : 2022年10月7日
- 本棚登録日 : 2022年10月6日
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