アバタロー氏
1947年出版
堕落こそが人間を救う道
落ちるとこまで落ちないと救われないと主張
《著者》
無頼派 (自分の表現を貫く)
戦後で40才頃の作品
堕落論をきっかけに執筆依頼が殺到
当時合法の覚醒剤を使用し、破天荒エピソードが多い
《感想》
今回、表現は柔らかく配慮してあった文言で聞きポイントは理解できた
称賛する声も多いが、破天荒さが目について私としては共感しがたかった
戦後で堕落せざるを得ない環境の中、堕落を正当化できたことで共感されたのだろう
当時若者に支持された
続編では宮本武蔵を取り上げている
武士道という規範に縛られず、自分の内側に築き上げた戦闘哲学によって戦ったという生き方は、安吾に影響を与えたそうだ
《内容》
・人間は生きてる以上堕落する生き物であり、どれだけ規範で縛り上げようが、どれだけ抗えようが、 運命が目の前に立ちはだかろうが、 人間の本質は絶対に変わらない
・戦争に負けたから落ちるのではない
人間だから落ちるのであり、生きているから落ちるだけだ
落ちきることが必要なのだ
・本気で自分を救いたいなら、自分の外側に答えや救いを求めてはいけない
自分の内側にこそ目を向け、人間らしさを取り戻し、自分の生命力に従って生きる
それこそが正しく堕落することであり、自分自身を救う唯一の道なのだ
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学・エッセイ
- 感想投稿日 : 2023年9月5日
- 読了日 : 2023年9月5日
- 本棚登録日 : 2023年9月4日
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