ボラーニョの作品を読んだのはこれが初めて。
小さいけれど鋭利なナイフ、生きているのか死んでいるのかさえ分からない亡霊が浮かび上がってきそうな雨の墓地、日が暮れ切ったばかりの知らない土地を1人で歩く時、そんな日常の恐怖を丁寧に、且つインテリとオタクのエッセンス加えて書くとこうなるのか。
とにかく話がねじれまくっていて、誰のこと?何の話?で、探してる人は誰?え?この人は知らん間に消えていったの?
明確な描写に重ねるように、雲を掴むような曖昧な箇所が音もなく被せられてゆくのに最後まで慣れなかった。
でも読後はその異様な世界にトリコになっている自分がいた。
ボラーニョの大作、2666を読む前の入門編のつもりだったのに完全に毒されてしまいました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年9月7日
- 読了日 : 2023年9月7日
- 本棚登録日 : 2023年9月7日
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