いじめとひきこもりの人類史 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社 (2020年10月17日発売)
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感想 : 7
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前半面白かったけど、後半マジで謎の展開。
定住生活になってからいじめが発生するようになったとする仮説の着眼点は面白いし、人間が介入した野生動物においていじめ現象が発生するという議論の運びは一理あると思ったが、後半において展開される日本の歴史的人物を援用したエピソードの話は我田引水なのではと思うほど強引な展開になってて、霊長類学を専門とする筆者の議論がどこまで正確と言えるのか謎では?と思った。自己家畜化の話を持ってきているので、『言ってはいけない』の橘玲のように「日本人は世界で最も自己家畜化された民族である」といった議論に通じる展開になるのかと予想していたら、着地点が見えない終わりとなっている。恐らく、どういう結論にするか迷走したのではと邪推している。前半が面白かっただけに後半のグダグダな展開はかなりがっかりしてしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年2月24日
読了日 : 2022年2月24日
本棚登録日 : 2022年2月24日

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