十八歳、海へ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (1980年7月19日発売)
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本棚登録 : 246
感想 : 22
3

「若い」の一言。衝動に溢れていて良くも悪くも「十八歳」の若さが全面に出ている。「十九歳の地図」でもそうだが、紀州サーガ系以外の作品だと時代性というか世代間ギャップや荒い部分・若者特有のエネルギーが鼻についてしまう…。もっと前に読んでいたらもう少しその衝動に共鳴出来たかもしれないが…今はそこまでノれない

突然現れた謎の「ユビ」との生活と未来への不安を描いたカフカ的、或いは安部公房的な作風の「愛のような」を執筆していたのは少し意外。下地にはやはり若者特有のナルシズム、傲慢さがあるが…意外性は最もある。
作品としては「眠りの日々」が最も良かったが紀州サーガの下書きとも言える。
星2つに↑の意外性で1つプラス。中上健次ファンとして読んで楽しむ作品、という印象

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 蔵書
感想投稿日 : 2024年2月20日
読了日 : 2024年2月20日
本棚登録日 : 2022年11月16日

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