日進月歩する赤ちゃん学に関する諸説をまとめた新書。
模倣と共感に関する考察が個人的には印象に残っている。
以下引用。
赤ちゃん時代から幼児期,学童期にいたるまでの発達過程において「模倣」はネガティブなものではなく非常に重要な意味を持ちます。
(中略)
新たな行動やスキルの獲得は,主に「模倣する」側だけに着目していますが,コミュニケーションの側面から考えると,「模倣される」側の視点も重要となってきます。
pp115-117 第4章「わたし」はいつから「私」なのか
しかし,(高次の)模倣は,真似しようと思えば真似できるのに対して,共感の場合は,共感しようとしてもできない場合もあります。
pp121 同上
筆者は,「共感を不可避的であり自分自身の意志でコントロールできないもの」とまとめている。
つまり,「氏か育ちか」の側面でいえば,「氏より」の感覚なのであろう。
しかし,私は共感も「育ち」の部分である程度カバーできると考える。
先程の筆者の言葉を借りるなら,「共感しようと」することで,相手のことを思いやる素地が養われ,またその経験を重ねるうちに少しずつ共感の意味を見出せるのではないか。
私自身も共感する力の低さを覚えている。
近年言及されている「主体的」の本質を捉えられるようにしたい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年5月5日
- 読了日 : 2019年5月5日
- 本棚登録日 : 2019年5月5日
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