農ガール、農ライフ (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社 (2019年5月15日発売)
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本棚登録 : 2262
感想 : 217
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めちゃめちゃ面白かったです。垣谷さんの作品はほんと読みやすく、ブロガー、婚活、農業問題、SDGs等々現代社会の様々を取り入れていくのが巧みです。勉強になります。
さて、物語は主人公の久美子が派遣切りにあい、同棲していた彼からもフラれるというという事態から始まります。就職氷河期で何とか入った会社は倒産、派遣切りにあった今、天涯孤独です。
そんな久美子が選んだのは「農業」。
農業大学校に半年入学します。そこから悪戦苦闘の日々が続きます。
私はかつて職場体験で農家さんに研修にいきました。すっごくハードでくたびれ果てるとはこの事だと思いました。柔道の合宿や寒稽古の方が楽に思えてくるほどです。これに寒さ、暑さ、天災などが絡んでくるのだからもう頭が下がります。心から誓った、ありがとう生産者さん、感謝して食べますとの思い。
そうこうして畑の横で倒れていると、なんとも清々しい。健全に生きているという実感がわいてきます。なんだか癒されます。田んぼをやったときもそんな素敵な時間がありました。でも毎日は無理だ。
こんなに端正込めてるのに、儲からないなんておかしいとも思いました。
現代社会の逆風を受けながらも、久美子が道を切り開いていく場面はわくわくします。結局は人と人との繋がりが大切だと思わされました。
読後感もとても良かったです。
また、家庭菜園をしようかな、猫の額ほどの庭だけど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年2月24日
読了日 : 2023年5月14日
本棚登録日 : 2023年2月19日

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