姑の遺品整理は、迷惑です (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社 (2022年4月14日発売)
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本棚登録 : 1909
感想 : 173
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垣谷美雨沼にハマっています。
垣谷さんは、ともすれば世知辛かったり、重くなりがちな話を明るくコミカルにしてしまえるところが大きな魅力です。

さて、今回は「遺品整理」がテーマです。こんなこと普段真剣に考えることもないですよね。
姑の膨大な持ち物を前に、嫁の望登子が自力で奮闘します。業者に頼むと70万もするのですね。こんなに大変とは知りませんでした。

ところで、これからは人生百年時代に入ると言われています。今ですらおよそ90歳まで半数の人が生きてると言います。長生きできるのはいいとして、「元気年齢」はいつまでかが問題になってきます。
(諸説ありますが、一般には75歳くらいまでと言われているそうです。)
そうなると今の健康を維持し体力もつけねばなりません。私は柔道をしていましたが、30を越えると体によくありません。腰や膝が段々痛くなってきます。マラソンとかが趣味な人が羨ましいです。大好きな釣りも毎日やってると流石に飽きるでしょう。そうなると、仕事してないとつまらない気もします。年齢ごとに職業を変えていく時代になるだろうとも言われていますので。このように「元気年齢」はいつまでか考えるとうかうかしてられない気持ちになりました。

また、持ち物にはその人の歴史が凝縮されていることを知りました。本書では歳を取ってからでないとわからないことがたくさん書かれています。
望登子が片付けども片付けども、天袋や押し入れから荷物が出てくる。一緒に果てしない片付けをしている気持ちになります。
自分も大学の寮に入って、二年後に一人暮らしして、実家に帰って、結婚して引っ越して、とその度に断捨離してきました。ですので、片付けの際の葛藤には共感する事大でした。
でも本だけはなかなか捨てられないです。しかも付箋とか付けたいタイプなので、つい買ってしまいます。本の置き場を断捨離しないと( ̄▽ ̄;)

本書で、物が片付く度、読んでいる私も達成感を味わうことが出来ました。
また、基本出てくる人がみないい人で、人情があって温かいです。
読後感は、雲ひとつない青空のように爽快でした。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年2月23日
読了日 : 2023年5月14日
本棚登録日 : 2023年2月19日

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