読み始めはその人的被害の数に圧倒され、胸がジクジクとうずく中、読み進めていった。
恥ずかしながら、この戦いのおいての知識はなく、まっさらなところに情報を受け、「戦争」という、ただ言葉だけだったものが、急に生臭さを帯びてきた気がする。
戦術のなさ、思い込みからくる現状把握のいい加減さに呆れつつ、昔の話だから仕方ないと思ったのだが、途中からいろいろなことが思い浮かんできてしまった。
本当に昔だけの話だろうか?
たしかに戦術の未熟さにはそう言ってしまってもいいかもしれない。
でもヒトラーにもスターリンにも見える「固執」は、きっと今も昔もない。
残念ながら。
イデオロギーが見せる様々な面をこの本で見たと思う。
そして突きつけられるのは今のこの世界の現状。
終章では独ソ戦が歴史的に利用されてきたこと、現在でも利用されていることに言及している。
何をどう見るべきか。平坦な見方で終わらない、そのための示唆に富んでいるように思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年6月9日
- 読了日 : 2022年6月9日
- 本棚登録日 : 2022年6月9日
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