ステップファザー・ステップ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1996年7月13日発売)
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本棚登録 : 9023
感想 : 955
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職業泥棒が双子の中学生に弱みを握られ、擬似父親になるというお話。双子の父親と母親はそれぞれ不倫相手と駆け落ちして、お互い片親が双子の面倒みているのだろうと思っているが、結果的に児童遺棄になってしまっているという設定です。

いちおうライトなミステリー小説ですがそもそもの設定がぶっ飛んでいるので、各話の推理やトリックに無理があっても笑って許せる気持ちにはなりました。

どちらかというと、イヤイヤ父親役になった「お父さん」の主人公が、双子と心を通わせていくのを楽しむ小説です。

双子の哲と直は賢くて良い子なので、主人公も主人公に泥棒の仕事をくれる柳瀬の親父も双子が可愛いくなっている様子がとても微笑ましくてほっこりしました。

双子がそれぞれ別の誘拐犯に誘拐されてしまう話。主人公との電話の向こう側で取り乱した双子が「僕は哲だよね?それとも直だっけ?」と自分のアイデンティティを無くしてしまうのがクスッとしてしました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年8月12日
読了日 : 2022年8月12日
本棚登録日 : 2022年8月1日

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