早朝始発の殺風景

著者 :
  • 集英社 (2019年1月4日発売)
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本棚登録 : 1252
感想 : 163
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どの話も土壇場でバタバタと主人公が真実を見つけ出していくものだった。
「早朝始発の殺風景」は、正直クライマックスまでどんな話かわからなかった。殺風景だけでなく主人公も目的があったのは驚いた。
「メロンソーダ・ファクトリー」は最も印象に残った。クラスTシャツは高校生の時に作ったなぁ…と懐かしかった。色覚障害について身をもって知ることができた。
「夢の国には観覧車がない」はとても読みやすかった。途中から何かあるな、とは思った。『殺そうとしたのではなく救おうとした』ところが上手い表現だと思った。
「捨て猫と兄弟喧嘩」は、兄の猫だと全然想像がつかなかったが、『教えろよ、そんくらい!』と妹が叫んだ時はとても切なかった。いくら親が離婚して離れ離れで暮らしていても、兄弟に新しい家族ができることはショックだと思う。
「三月四日、午後二時半の密室」は、それまでの流れで何かとんでもない秘密があるのかと覚悟していた。しかし恥ずかしいという理由だけで良かった。『もう会うことはないだろう』と思いつつ、LINEを交換して写真まで撮ったところは微笑ましかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年8月24日
読了日 : 2022年8月24日
本棚登録日 : 2022年8月24日

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