ミステリと言う勿れ(2) (フラワーコミックスα)

著者 :
  • 小学館 (2018年5月10日発売)
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本棚登録 : 765
感想 : 45
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何もかもわかったような顔をしている主人公、久能整は誰の欲望から生まれた存在なんだろう。誰が彼を欲したのだろうか。
承認欲求、ひがみ、ねたみ、煩悩、差別、ジェンダー意識。現代人が抱える負の欲動をことごとく持たない彼は、きっと誰かのスーパーマンなのだ。
だが、ぼくはそこにほんのりと傲慢さも感じる。「私は関係ないです」という態度をとりながら、べらべらとカッコ付きの「正論」をしゃべる彼に、本当に人は救えるのか。
もちろん救えようが救えなかろうが、彼は何も思わないだろう。
そこで思う。もしこの漫画が「人のモノ化」「死の記号化」に反発する意図で描かれているとしたら、しかし逆説的にこの漫画こそ「人のモノ化」「死の記号化」を推し進めていないか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年6月30日
読了日 : 2020年6月30日
本棚登録日 : 2020年6月30日

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