川崎市川崎区で起こった中一殺害事件、簡易宿泊宿火災、幸区で起こった老人ホーム殺人事件。川崎で不穏なニュースが続いた2015年。どんな土地なのだろうかと、取材をしている。
前半は川崎のディープな事情が分かる。今の時代にこんなところがあるのか?と驚いてしまう内容。負の連鎖。
中盤からは川崎から出たラップグループBAD HOPのメンバーや、それに関係する所謂不良たちへの取材から見えた川崎を書いている。
中盤以降は取材した人は違うが、だいたい内容は同じ。
家庭環境が悪く、不良しか道がなく、中学卒業したらトビかヤクザか、な生活から、音楽で将来の道筋を開いたBAD HOPメンバー。ラップ、ヒップホップ、スケボーは大きく道を外れようとしている若者に希望を与えている。(本に出てきているメンバーは大体警察のお世話になっているが…)
貧困、移民の社会の闇が川崎南部に凝縮されている。彼らだけが悪いわけではなく、社会の問題でもある。
取材した人が偏っているため、川崎というマチをあまり深く、多角的に取材はできていない印象。もっと色々な面からこの町を知りたい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年1月25日
- 読了日 : 2020年1月25日
- 本棚登録日 : 2020年1月25日
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