定年オヤジ改造計画 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社 (2020年9月11日発売)
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垣谷美雨さん7冊目。本作もタイトルのイメージとは裏腹に清々しく面白かった。
主人公は、大手企業で部長職まで務めたのち定年退職&嘱託で勤務していた企業が倒産し、完全にリタイアした還暦過ぎの男性。笑ってしまうほど意固地で考え方も古いが、本人は至って真面目。妻や娘に愛想を尽かされている。そんな男性がリタイア後に、家族や息子家族、孫、旧友や故郷岩手の兄弟など、周りの人と触れ合う中で自らの考え方を改めていく。この人は自らを顧み変わることができているが、それができない人も多かったりするのではないだろうか。本作では家庭内の女性の地位に重きが置かれているが、やはり日本全体の働き方も大いに関係があるとと思う。有休が取りにくかったり、無駄に長時間労働だったり、、そうした風習を変えていくことは間違いなくワークライフバランスに好循環を生み出すと思う。主人公の夫婦仲も最初は最悪だったが、考え方、振る舞いを変えることで、いくらでも状況を好転できることがよく分かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月17日
読了日 : 2024年1月17日
本棚登録日 : 2024年1月17日

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