はれのち、ブーケ (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社 (2012年12月5日発売)
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本棚登録 : 435
感想 : 30
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瀧羽麻子さん七冊目。大学で同じゼミだった仲良し男女のグループ6人+そのうちの1人の奥さんの短編連作。キラキラしていて、映像化しても映えそうだと思った。
主な舞台は6名の中にいたカップルの神戸での結婚式。30歳という節目の年齢を迎えたそれぞれの心境が描かれている。学生の頃は皆似通っていた境遇が、年齢とともに住む場所も、職業も、独身/結婚/子供の有無の状況も、違いが出てくるのは仕方ない。印象的だったのは「隣の芝生は青いけど、自分の芝生はもっと青い」という言葉。人はないものねだりをしがちだが、羨ましいと思った人の歩んできた道と全く同じ人生を歩めるのか、歩みたいか、と問われるとそれはどうかなと思う。世間一般の「幸せ」の価値観に振り回されることなく、自分の幸せや価値をいかに自覚し感謝できるかは本当に大事なことだと再認識した。
それぞれが色々な思いを抱えているものの、こんな「ザ・青春」な時間を過ごしたゼミの仲間と卒業後も付き合いが続いているのは(部外者は入りづらいが苦笑)素敵だなと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年8月16日
読了日 : 2022年8月16日
本棚登録日 : 2022年8月16日

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