【ひたひたと】
詰まるところ、どうしようもない場所に戻る男の感情の揺れなのか。
自分の影を見ては子供に戻り、現の影を感じては自我を取り戻し…ただの逃避だ。
人間、誰だってそうだろう。
何が最良で、どの道が最適かなんて、分からない。
分からないからこそ逆行するんだ。
今いる場所から、少しづつ少しづつ後ずさりしていって、ひたひたと迫り来る波に呑み込まれない様にして、感情に蓋をして生きなければならない。
【花腐し】
腐らせる雨に抗う術はあるのか。
どんな場所に感情が流れていこうとも、最初から腐っていては目も当てられない。
結局、ただの言い訳だろう?
どいつもこいつも、腐ってる。
それは雨のせいじゃねーんだよ。
濡れて腐るのが分かってるのなら、濡れないように考えりゃいーだけだ。
生の熾火は見えるか?だって?
見える訳ねーだろ、屍の熾火は見えるがな。
同情も出来なければ、怒りしか湧いてこない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年7月8日
- 読了日 : 2021年11月28日
- 本棚登録日 : 2021年11月28日
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