地味ながらも味わい深い話ばかりという印象の三巻。剣術は強いが人生経験はまだまだといった風情だった大治郎が、「東海道・見付宿」「婚礼の夜」でだんだん父のような段取りの良さと遊び心を身につけていくのが楽しい。そして、そんな息子にまだまだだと言わんばかりの父・小兵衛の粋な活躍ぶり。特に「嘘の皮」で見せた計らいが良い。登場する市井の人々も、筋を通す人物、どこか憎めない人物など味のある登場人物ばかりなのが魅力。
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- 感想投稿日 : 2022年8月15日
- 読了日 : 2022年8月15日
- 本棚登録日 : 2022年8月4日
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