「サクヤを殺しなさい。あなたの手で」
僕と対なる存在・アダムと名乗る少年は、笑みを浮かべたまま続ける。
「できるでしょう。この街のためなら」
――そう、僕は、彼女を、犠牲にできる。
壊れていく世界を救うために、僕を殺しに来た対天使兵器の少女・サクヤ。
この対天使兵器の存在価値は、”あの人”との約束を実現する道具たること。
だから僕は、きみを犠牲にできる。
なのに。記憶の欠片に宿る”あの人”が、僕のココロに囁く。
密くん。
《大切》なものから、逃げないで。
殺すために恋をして×死ぬために愛し合う僕らの”恋”。僕は初めてそれを、”痛い”と感じた――。
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本(か行の作家)
- 感想投稿日 : 2007年1月19日
- 本棚登録日 : 2007年1月19日
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