借りたもの。
昨今、取り上げられ認知度が高まった「毒親」
機能不全家族の問題に取り組んてきた著者の元には、「自分は『毒親』に育てられたため、苦しい」と自己申告してくるクライアントが多くなったという。その事に警鐘を鳴らしている本。
本来の「毒親」問題とは、“犯人探し”が問題ではなく、それと向き合い自身を成長させていくことが認識されていない事を著者は懸念している。
また、「毒親」の定義が曖昧な事から“普通の親”をそう見てしまうことを指摘。
その根本的な問題に、現代日本人の「私」ノイローゼ、“承認欲求”の過剰反応があるという。(普通の親を毒親と見なすのは、自分のことを認めてくれない親、というスタンスがあるのかも知れない。)それを明治維新以降夏目漱石とその作品『明暗』を取り上げ、分かりやすく解説してくれる。
別に親を敬えとか、訓戒を述べている本ではない。(自身も親も、敬われるのは死んで美化された時だろう。)
原因が自分の親、それが毒親で結構。
それから自分をどうしたいかを考えるための、人によってはちょっと厳しく感じるだろうが、その力の一撃を受けてバランスを取ろうと思う本。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
心理学 / 精神医学
- 感想投稿日 : 2016年1月30日
- 読了日 : 2016年1月30日
- 本棚登録日 : 2016年1月21日
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